新着情報

  • プラズマ量子プロセス
  • お知らせ

第21回プラズマ量子プロセスユニットセミナー “Bridging Astrophysical and Laboratory Plasmas”

核融合科学研究所(NIFS)プラズマ量子プロセス(PQP)ユニットでは、ユニットの研究活動を広く発信していくために、セミナーを開催しております。今回は、講師として山口弘悦教授 (宇宙科学研究所・プラズマ量子プロセスユニット客員教授)をお招きし、「Bridging Astrophysical and Laboratory Plasmas」と題してご講演いただきます。

【実施要項】

題目:Bridging Astrophysical and Laboratory Plasmas

講師:山口弘悦 教授(JAXA宇宙科学研究所・プラズマ量子プロセスユニット客員教授)

日時:2026年3月26日(木)

   13:30-15:00 (ハイブリッド開催)

会場:核融合科学研究所研究1期棟5階501号室およびZoom

*Zoomアドレスについては、お問い合わせください。

【概要】

宇宙に存在する物質の大部分は、X線を放射する温度帯(数100万度〜数億度)のプラズマとして存在する。したがって天体プラズマのX線観測は、宇宙の力学的・化学的進化を理解するうえで不可欠である。 JAXAが運用するX線分光撮像衛星XRISMは、このような宇宙の高温プラズマを観測するために開発されたミッションである。主力観測装置であるX線マイクロカロリメータResolveは、50 mKの極低温で稼働する非分散型の分光装置であり、4.5 eV @ 6 keV (FWHM)のエネルギー分解能を軌道上で達成した。この値は従来のX線天文衛星の約40倍の分光性能に相当し、様々な高エネルギー天体に対する精密プラズマ診断を可能にした。XRISMはこの性能を活かし、これまでに様々な高エネルギー天体から多くの新知見を得ている。本講演の前半では、この中から、特にX線連星に関する最近の観測成果を紹介する。

天体プラズマは、強重力場や強磁場、強い放射場、さらには極端な高密度・低密度といった、地上では再現が難しい極限環境下の物理を探る貴重な「実験場」を提供する。一方で、観測されるX線スペクトルは、異なる状態のプラズマ成分が重なり合った複雑な構造を示すことが多く、その物理的解釈は容易ではない。この課題を克服し、天文学的観測から得られる物理的知見の信頼性を高めるためには、実験室プラズマを用いた検証実験が重要となる。私たちはこの観点から、電子ビームイオントラップ(EBIT)を用いた多価イオン分光実験を行っている。JAXA宇宙研が所有するEBITは、放射光施設と組み合わせた能動分光測定を行える点で特徴的である。本講演の後半では、今月初旬に仙台市の3GeV高輝度放射光施設 NanoTerasuにて実施した分光実験のpreliminaryな結果を含む、JAXA EBITの運用状況について報告する。

【連絡先】

村上泉 (murakami.izumi (at) nifs.ac.jp)

※(at) を@に直してください。