プラズマ量子プロセス
Plasma Quantum Processes
  • 研究概要

     本ユニットは、プラズマでのミクロな量子プロセスの総合的研究拠点として国内外の共同研究を推進し、低温から高温、低密度から高密度(縮退も含め)に至る多様なプラズマにおいて、量子プロセスがいかにプラズマ物性を規定し、どのようなプラズマ現象として発現し観測されるかについて明らかにする。これにより、ITERや核融合炉における高Z不純物の蓄積量・放射パワー評価や挙動解明のための高Z原子多価イオンの原子物理的性質と発光スペクトル、非等方非平衡プラズマにおける原子分子挙動のモデリング、原子・分子と輻射場やプラズマ対向壁との相互作用素過程、Warm Dense Matterの原子過程やエネルギー変換機構、負イオン形成固体表面反応、レーザープラズマ相互作用などの課題を解決する。また、クォーク・グルーオン・プラズマの研究を通し、素粒子の理論・実験の成果を含めて核融合反応を理解するとともに、高エネルギー加速器実験の検出器等から核融合プラズマ実験のための新たな計測のヒントを得ることを目指す。学際的な展開として、様々な天体プラズマ現象(太陽コロナ、太陽風、超新星爆発、キロノバなど)の観測データの解読、各種プラズマ応用研究で必要とされる多様な原子分子素過程データと物理モデルの構築を行うことにより、多様なプラズマ研究の発展に資する。多価イオン磁場閉じ込めプラズマにおける非等温・非線形・非弾性衝突を含む輸送現象の物理を探求する。

     負イオン形成固体表面反応は、中性水素ビーム生成に大きくかかわってくる。Cs吸着金属表面、あるいはCs吸着金属以外の材料表面での負イオン生成過程を探求する。 また、素粒子「ミュオン」の持つ特異な性質:(1)量子的性質、(2)強い結合力、(3)高い透過力、を利用した多彩な学際領域研究、特に、ミュオン原子・分子科学において精密な実験と理論による新たな化学反応機構の開拓を目的とした研究を推進する。また、プラズマ装置学ユニット等と連携し、ミュオン触媒核融合 (μCF)に対する研究の基盤拡充を図る。

    図1.極端紫外域で、LHD(上図)とCoBIT(下図)で計測したタングステンイオンのスペクトル。CoBITの計測は価数分布を狭めて計測することが可能である[1]。
    図2.数値シミュレーションで計算したレーサープラズマ相互作用の様子[2]。 電場の強さが色で表示されている。

    [1]H. A. Sakaue et. al.,.. in preparation

    [2]S. Kojima et. al., “Electromagnetic field growth triggering super-ponderomotive electron acceleration during multi-picosecond laser-plasma interaction“, Communications Physics 2 (2019) 99.

研究成果

プラズマ量子プロセス

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