研究発表
- プラズマ量子プロセス
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星原子過程データに関する日本ーリトアニアの国際共同研究の成果が天文学分野の学術誌に掲載されました
核融合科学研究所 プラズマ量子プロセスユニットの加藤太治教授らの研究グループ(東北大学、ヴィリニュス大学(リトアニア)との共同研究)により、中性子星合体で観測されたキロノバの理解に必要なランタノイドイオンの電磁波スペクトルデータの理論計算について研究成果をまとめ、その論文がMonthly Notices of the Royal Astronomical Society誌に2024年11月6日に掲載されました。
【論文概要】
ランタノイドは、中性子星合体から放出される物質が初期に放射する紫外~赤外線(キロノバ)のスペクトルを決めるうえで最も重要な役割を果たしている。本論文では、キロノバの不透明度の物理の理解と、そのために必要な原子過程データの精度を明らかにするために、ランタノイドの1価イオン(中性原子から電子が一つとれた正に帯電したイオン)のエネルギー準位と振動子強度データの理論計算を行った。その結果、精度の高い新しい計算結果を用いたランタノイドの1価イオンによる不透明度は、従来に比べて最大で10倍も増加することが分かった。また、不透明度を制御している主な電子配置間の密集した遷移列(transition array)を同定し、信頼できる不透明度を得るためには、正確なエネルギー準位分布が重要であることを明らかにした。
【論文情報】
“Systematic opacity calculations for kilonovae – II. Improved atomic data for singly ionized lanthanides”
Daiji Kato, Masaomi Tanaka, Gediminas Gaigalas, Laima Kitovienė, Pavel Rynkun
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society, Volume 535, Issue 3, December 2024, Pages 2670–2686
URL: https://doi.org/10.1093/mnras/stae2504
【謝辞】
本成果は、JSPS二国間交流事業 (JPJSBP120234201) とResearch Council of Lithuania (No S-LJB-23-1) の支援を受けて行われた共同研究によるものです。