新着情報
- 複合大域シミュレーション
- お知らせ
複合大域シミュレーションユニットセミナー(2026年2月26日)
[日時] 2026 年 2 月 26 日 (木) 10 時 00 分
[開催形式] ハイブリッド開催
場所: 核融合科学研究所 研究 II 期棟 5 階 509 セミナー室 / オンライン
(接続情報は別途メールにて、参加申込・招待された方へお知らせします)
[講師]
陰山 聡(神戸大学システム情報学研究科・教授)
Prof. Akira Kageyama (Kobe University)
[講演題目] 正四面体ダイナモモデル
[講演概要]
地磁気や太陽磁場の起源であるMHDダイナモは、流体の運動エネルギーを磁気エネルギーへと変換するMHDの基礎過程である。あるMHD系が効率的な「ダイナモ(発電機)」となるためには、その流体の流れがヘリシティ(=速度と渦度の内積)をもつ必要がある。地磁気や太陽磁場の場合、天体の自転が自然とヘリシティの分布を誘起するが、実験室でMHDダイナモ効果を実証するにはさまざまな工夫が必要となる。液体金属を用いたMHDダイナモ実験ではこれまでに、インペラによって円筒内部に螺旋状の流れを駆動する方式(ラトビア)、螺旋状に組み合わせたパイプを多数束ねる方式(ドイツ)、回転円板対によって流れを生成する方式(フランス)など、多様な方法でヘリシティを駆動している。また近年では、歳差運動による円筒容器内の流れを利用したダイナモ実験(ドイツ)が注目を集めている。
数値シミュレーションによるMHDダイナモの研究では、球殻状の容器内部でのMHD対流を設定し、系全体の回転(自転)を仮定するのが一般的である。天体ダイナモの再現という点でこれは自然な設定ではあるものの、一方で、回転系の流体はそれ自体が多様で複雑な物理現象を引き起こすために、ダイナモ機構そのものに焦点を絞った解析が難しいという問題があった。また、回転流体系では避けることのできない薄い粘性境界層(エクマン層)の存在が空間分解能に厳しい制約を課す結果、計算コストが大幅に増加するという課題もあった。
そこで最近、我々は回転を伴わない熱対流系におけるMHDダイナモを探求している。球や直方体といった通常想定される容器内の熱対流では流れのヘリシティは弱く、磁場は発生しにくい。しかし、正四面体容器を重力場中で適切に配置することで、強いヘリシティを持つ熱対流が自然に生じることを期待するものである。またこの系では正四面体内部のMHD対流をカーテシアン座標系 (x-y-z) 上での一様等間隔格子という極めて単純な格子系で計算できるという数値計算上の利点もある。
シミュレーションの結果、期待どおり強いヘリシティを伴う定常層流が自発的に形成されることを確認した。この流れは、無回転系の層流であるにもかかわらず、はっきりとしたMHDダイナモ作用をもち、強い磁場が成長する。対流の運動エネルギーを超える磁気エネルギーが磁気拡散時間スケールを超えて持続する。流れ場と磁場はどちらも高い空間対称性をもち、どちらも位数8の二面体群D4の対称性をもつことを数値的に確認した。
この正四面体ダイナモ系は、回転に起因する付加的な物理過程を排除しつつ、高い対称性をもつ基本解を出発点としてMHDダイナモの物理を体系的に探究するモデルとなることが期待できる。
[お問合せ] cg-sim
興味をお持ちの方はどなたでもご参加いただけますが、情報セキュリティおよび貿易管理の観点から、事前申込をお願いします。お申込みは、氏名、所属、職名または学年、連絡先メールアドレスを明記の上、cg-sim までメールにてお送りください。折り返し参加の可否と接続情報をお知らせします。
当日、参加者名簿を作成します。名簿は法に基づいて開示される場合があります。
各所属大学・機関において研究倫理教育を受講した上でお申し込みください。
