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第9回 研究部セミナー(11月24日 講演者:前山伸也)
第9回研究部セミナーを開催します。日程は下記のようになります。皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
【日時】 2023年11月24日(金)15:00-16:00
【場所】 管理・福利棟4階 第一会議室 ※ハイブリッド開催
【講師】 前山 伸也(メタ階層ダイナミクスユニット)
【タイトル】 プラズマ乱流解析の方法論を通じて他分野とつながる
【概要】
筆者はこれまで、プラズマ物理と計算科学を両輪として、「富岳」を用いた磁化プラズマにおけるマルチスケール乱流シミュレーションなど、第一原理計算研究を進めてきた。
本発表では、プラズマ乱流の物理ではなく、開発してきた解析手法の方法論に焦点を当てる。1つ目の乱流の持つ二次の非線形性に由来する三つ組み相互作用解析は、Fourier変換だけでなく、特異値分解などの任意の直交関数展開に応用される。2つ目は、複雑な時系列となる非線形相互作用を、説明変数に相関を持つ射影部分とその補射影として分離することで、現象論的理解を試みる森-Zwanzigの射影演算子法について紹介する。3つ目は、低精度だが多数の低フィデリティデータと高精度だが少数の高フィデリティデータの間の非線形・非局所相関を抽出することで、全体としての予測精度の向上を図るマルチフィデリティ乱流輸送モデリングの構想を述べる。
基礎方程式の持つ二次の非線形性や、時系列揺らぎの間の統計的相関、異なる量・質のデータ融合といった、問題の持つ数学的構造に着目することで、分野固有の物理に捉われず、多様な分野の研究者と方法論を介した接点ができることを期待する。
【発表資料】プラズマ乱流解析の方法論を通じて他分野とつながる
【関連文献】
- S. Maeyama, M. sasaki, et al., “On the triad transfer analysis of plasma turbulence: symmetrization, coarse graining, and directional representation”, New Journal of Physics 23, 043049 (2021).
- S. Maeyama and T.-H. Watanabe, “Extracting and modeling the effects of small-scale fluctuations on large-scale fluctuations by Mori–Zwanzig projection operator method”, Journal of the Physical Society of Japan, 89, 024401.
- 前山伸也, 三分一史和, “射影演算子法による統計的時系列データ解析とその応用”, 統計数理 71, 25-45 (2023).