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複合大域シミュレーションユニットセミナー(2024年10月9日)

[日時] 2024年10月9日(水) 13:30〜15:00

[場所] オンライン

(接続情報は別途メールにて、参加申込・招待された方へお知らせします)

[講師] 千秋 元 先生(高知工業高等専門学校・助教)

[講演題目] 流体シミュレーションで探る宇宙の化学進化と星形成

[講演概要]

ビッグバン直後の3分間で起こった元素合成により水素・ヘリウム原子核がもたらされたが、それより重い元素の合成までは進まなかった。つまり宇宙の初期段階では、現在我々の身の回りにあふれているヘリウムより重い元素(天文学の分野では「金属」と呼ぶ)は存在していなかった。金属は惑星や生命の原料となるため、その存在度が現在に至るまでどのように増加したかは現代天文学の重要な問いである。


宇宙で最初に金属がもたらされたのはビッグバンから1億年後、最初の天体である星(初代星)が形成されたときである。星は太陽の8倍以上の重さを持つ場合、その一生の最期に超新星爆発という爆発現象を起こし、ヘリウムより重い元素が合成され、星間空間に拡散される。その後、星と星間物質の相互作用を繰り返すことによって宇宙空間の金属量が増加していったことが予想される。しかしその拡散過程は非常に複雑であり、3次元シミュレーションを用いた詳細な研究が必要となる。本研究では特に宇宙で最初に起こる初代星超新星による金属の拡散過程を大規模な流体シミュレーションにより追った。


また、星が超新星爆発を起こすかどうかはその質量によって決定づけられるため、星質量は宇宙の進化を追うために重要な物理量である。本研究では化学反応を詳細に解く高解像度シミュレーションを行うことで、様々な金属量を持つガス雲において形成される星質量を見積もった。その結果、星形成の最終段階において、金属分子が凝縮した個体微粒子(ダスト)の放射冷却によってガスの温度が下がり、原始星への降着率が下がることが分かった。したがって、宇宙の金属・ダスト量が増加する過程で、小質量星が形成される傾向になることが明らかとなった。

[お問合せ]  cg-sim

  • 興味をお持ちの方はどなたでもご参加いただけますが、情報セキュリティおよび貿易管理の観点から、事前申込をお願いします。お申込みは、氏名、所属、職名または学年、連絡先メールアドレスを明記の上、cg-sim までメールにてお送りください。折り返し参加の可否と接続情報をお知らせします。
  • 当日、参加者名簿を作成します。名簿は法に基づいて開示される場合があります。
  • 各所属大学・機関において研究倫理教育を受講した上でお申し込みください。