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上原日和准教授、サンチェス特任研究員がプラズマ・核融合学会フォトイラストコンテストの優秀賞を受賞!

 このたび、可知化センシングユニットの上原日和准教授、ファビエン・サンチェス特任研究員が、第9回プラズマ・核融合学会フォトイラストコンテストの優秀賞(銀賞)を受賞しました。このコンテストは、令和7年12月1~4日に京都工芸繊維大学で開催された第42回プラズマ・核融合学会年会に併せて執り行われ、全20点の応募作品の中から人気投票での上位3点が優秀賞として選出されました。受賞作品は、同学会から発刊される令和8年度プラズマカレンダーに掲載される予定です。

プラズマ フォト・イラストコンテスト受賞作品(プラ核学会HP):https://www.jspf.or.jp/photocon/

受賞したサンチェス研究員(左)と上原日和准教授(右)

 受賞対象となったのは、プラズマ装置の外観写真と電子顕微鏡像を並べた作品「混合ヘリウムプラズマ照射により形成した多様なタングステン表面構造」です(下図)。名古屋大学・大野研究室の直線型プラズマ装置「NAGDIS-II」で高温のヘリウムプラズマを生成した様子(図の左半分)と、そのプラズマをタングステン基板に照射して形成した表面ナノ構造体(右)が紹介されています。

 ネオンやアルゴンを少量混ぜて生成したヘリウムプラズマの中にタングステン板を挿入すると(中央下の写真内の長方形がタングステン板)、試料は1000℃を超える温度まで加熱されます。この状態でプラズマを一定時間照射し続けると、ファズとよばれる太さ数10ナノメートル程度の綿毛構造(顕微鏡像の上段)や、数100ナノからマイクロメートルの太さをもった柱状を意味するピラー構造(中段)、ファズやピラーが複雑に絡み合ってマイクロメートルまで巨大化したナノ・テンドリル・バンドル(NTB)構造(下段)が試料表面に再現性高く形成されます。

 これらの特徴的な構造は、ヘリウムガスの試料内部への入り込みやその後の外部への放出、プラズマによる試料表面の浸食、浸食されたタングステン等の堆積、など異なった複雑な過程が同時に起こることで形成されると考えられています。しかしながら、詳細な形成メカニズムは未だ明らかになっておらず、多くの謎が潜んでいます。

受賞した作品
『混合ヘリウムプラズマ照射により形成した多様なタングステン表面構造』
ダイバータ模擬用の直線型プラズマ装置「NAGDIS-II」でネオンやアルゴンを混合したヘリウムプラズマを生成して、タングステン基板に照射すると、さまざまな形状のナノ構造体を形成することができます。(応募時の説明文まま)

 本ユニットの上原准教授とサンチェス研究員は、東京大学の梶田信教授・Quan Shi助教、名古屋大学の大野哲靖教授・田中宏彦准教授との共同研究で、これらの謎の解明に挑んでいます。プラズマと材料の相互作用を理解することは、学術的に重要なだけでなく、核融合炉の内壁やダイバータで利用される材料の耐久性を高めること繋がります。

 また、上原准教授は、最近、様々な化合物半導体に同様のプラズマを照射して、特徴的な表面ナノ構造体を形成することに成功しています(こちらのページを参照)。この成果は、新しい電子デバイスや光デバイスの誕生につながる可能性を秘めています。さらに上原氏は、このプラズマ照射の手法を適用し、ワイドギャップ半導体である窒化ガリウムの表面に複雑なマイクロ構造体を形成して、ランダムレーザーという高機能な発光デバイスを実証しています(こちらのプレスリリース参照)。可知化センシングユニットでは、今後もプラズマ-材料相互作用に関する基礎的な研究を継続しつつ、プラズマ照射技術を有効活用したさまざまな応用探索を推進してまいります。

お問い合わせ: 上原日和(可知化センシングユニット) uehara.hiyori[at]nifs.ac.jp ※[at] を@に直してください。